耳鳴り

鍼灸医学では、《耳鳴り》は大きく3つに分けられます。

まず、《筋肉の凝り》から血流やリンパの流れが悪くなって、耳の中のリンパの圧力の変化によって起きるもの。

中医学では、《表病》と言い、筋肉など、身体の表面に近い処に病変が現れる病です。

肝経、胆経の経絡が滞る事が多く、肝臓や胆嚢が疲れ易い方、怒りっぽい人や、持久力にない人、ジッとしていられない子供にも現れる事もあります。

もう1つは、肝臓や胆嚢に病変があったり、一部切除してしまっている人。

内臓は人間の生命の深い所を支えており、ここが上手く機能していないと、《病》は重くなります。

《裏病》と表され、臓腑の病です。

最後は、老化による《耳鳴り》です。

鍼灸では《腎の病》、《腎気の衰え》、《先天の元気の減衰》とされ、生まれ持った生命力の弱りは、腎経が関わっている生体機能が衰えてきます。

例えば、《耳鳴り》や《聴力の減退》、腎蔵を中心とした泌尿器系の病変です。

老眼などは腎気が衰えた結果、他の臓腑も弱る事で、それにまつわる異常の為に生じます。

《表病》は、突発性に起きる《耳鳴り》の事が多く、内耳自体に病変がなければ、《肩凝り》など《筋肉の硬結》を取るだけで、治ります。

逆に、《腎気の衰え》による《耳鳴り》は回復が難しく、《腎気》を後天的に補いつつ、《腎経の経絡》や他の身体の弱っている所を回復させながら、少しづつ軽減させなければいけません。

《耳鳴り》にも《病の深さ》があるので、まずは前向きに治療を検討してみて下さい。

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