はりとお灸
鍼灸治療を施術する際は、まずお灸をします。
身体の弱っている処から補って、体力を作ってあげなければいけません。
その為に《虚》のツボにお灸をします。
ツボには《虚》と《実》があります。
症状にも《虚》と《実》があり、《虚》が冷え、機能低下、停滞の事を言い、つまり活力が弱まって元気が出ない状態の事です。
《病》としても《虚》の状態から元気にしていくのは、時間がかかります。
まず消化器系や神経、液(血液、リンパ)伝達を回復させなければいけないからです。
身体のベースが整ったら、次は《実》のツボに鍼を刺していきます。
《実》の症状は、熱、炎症、硬結です。
《虚》の場合は、冷えて固まったり、機能不全で萎縮するのに対し、《実》はエネルギーがあり余る為、行き場をなくして詰まります。
硬くなった所を解いたり、詰まっている所を流す事で、代謝が良く成り、熱が流されて炎症が治ります。
ここで大事なのが、お灸をすえる時も、鍼を刺す時も、患者さんと同期する事です。
そうする事で、脳の前頭葉のタイトジャンクションも一緒に取れてゆくからです。
施術者は、患者さんのフォノグラムを自分にコピーして、患者さんのフォノグラムが等音面に向かう(回復して行く)様子を実感してゆきます。
そうしないと、劇的な変化は望めません。
またこれが、当院の特色でもあります。
患者さんのフォノグラムを体感する事で、身体の状態を把握するだけではなく、詳細なツボの位置まで分かります。
鍼灸や漢方医学では、体表と内臓の関係性を診ていきます。
体表の症状は軽い《病》とされ、内臓へ向かうに従って重くなるとされています。
内臓が病んでしまうと、生命に関わってくるからです。
フォノグラムでは、さらに身体と脳のリンクも視野に入れています。
悩みや性格、固定観念が改善されないと、前頭葉のタイトジャンクションは消えず、再び身体に《病》を生成してしまいます。
例え、今の症状が治ったとしても、別の病気になって現れる事もあります。
そう考えると、《病》は自分の一部だと言え、自分を改善または、強くさせる為のサインでもあるのではないでしょうか。